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立ち退き料法律相談センター 千代田中央法律事務所

マンション・住居の立退き(1)-立退きの要否

アパート(マンション)の一室を借りて、家族で生活しているのですが、先日、大家から「アパートが老朽化してきて、マンションに建て替えたいので明渡してほしい」と言われました。
私としては、長年生活してきた場所で愛着もあり、また新しいマンションに引っ越すにも敷金や引越費用がありません。この場合でも、明け渡さなければならないのですか。
賃貸期間の満了の際に更新を拒絶して立ち退きを求める場合、または賃貸期間の定めがなく解約申入れをして立退きを求める場合には、賃貸人、賃借人が当該借地または借家を利用する必要性の程度を比較して、「正当事由」が認められる必要があります。
その際に、賃料の支払い状況等の経緯、建物の老朽化の程度、立退き料の支払い等の事情を考慮するとされています。

この賃貸人、賃借人の利用の必要性を比較する際には、賃借人が当該物件を営業用として利用しているか、居住用として利用している
かにより、賃借人の利用の必要性に差が出てきます。

すなわち、賃借人が当該物件を居住用として利用している場合には、賃借人の利用の必要性が認められやすくなり、
一方営業用として利用している場合には、居住用と比較して、賃借人の利用の必要性は絶対的なものではなく、
立退き料の額の問題に解消される傾向があります。

質問の事例

賃貸人の必要性は、老朽化し、効率の悪いアパートを賃貸マンションに建て替えて、敷地を有効利用して収益を上げる目的で、
立退きを求めるものであり、経済的目的に基づくものといえます。

一方、賃借人の必要性は、正しく当該借家を利用して生活していくという居住目的にあります。また、この居住目的には、長年生活
してきた場所で築き上げた地域住民とのコミュニティーなどの利益もあります。

このような場合、当該建物が朽廃時期に近づき、保安上倒壊等の危険があるという事情があれば、立退き料の提供により「正当事由」
を認めることが可能ですが、そのような事情のない場合、賃借人が立退きを断固拒んでいれば、立退き料の提供をしても、賃貸人から
の一方的な解約申入れに「正当事由」が認められることは困難となる場合もあります。

したがって、たとえ立退き料をもらっても、現在住んでいるアパートから出て行きたくない場合には、断固として明渡しを
拒むことで、居住し続けることが可能となります。

ただし、当該アパートの老朽化が著しい場合や、近隣の物件に比べて著しく経済効率が悪い等の事情がある場合には、
結果的に裁判で、適正な立退き料と引き換えに明け渡さなくてはならないこともありますので注意が必要です。

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