私としては、引越費用・営業補償等を考慮して、十分な立ち退き料が支払われれば、立ち退きに応じようと思いますが、立ち退き料の相場はどのくらいですか。
また、明渡しまで、どのくらい猶予期間をもらうことはできるのですか。

賃貸人の利用の必要性は、自社ビルとして利用するという自己使用目的と、老朽化したビルを建て直し土地を有効活用するという目的
があります。
一方、賃借人の利用の必要性は、当該店舗の立地条件および長年利用してきたことにより獲得した顧客を前提として、営業を継続し
安定的に収益を挙げること、及び長年利用してきたことによる使い勝手の良さ等があります。
賃貸人、賃借人の利用の必要性は、両者とも一定の理由があるものであり、一概にどちらか一方の必要性が勝っているとはいうことが
できません。
この場合、立ち退き料が支払われず立ち退きが認められることはほとんどなく、
立ち退きによって賃借人が支払わなければならない移転費用の補償として、

を満たす立ち退き料を請求することが可能です。もっとも、賃料差額に関しては、賃料差額の半年分程度が相場となりますが、それ以上請求
したい場合は、賃貸人との話し合いによることになります。
次に、
立ち退きによって賃借人が事実上失うことになる利益の補償として、店舗の賃貸借の場合には、営業権の補償が問題になります。
移転先で従前と同様の営業を開始するために必要な費用、例えば、インターネットの開設費用、内装費用等の
工事費用は請求できる場合が多いですが、現状と同程度の内装費用という制限は当然あります。
また、移転先の店舗が現在の店舗と比較して、立地条件が悪く売上が減少する可能性が高い場合には、減収入分の
補償も考慮されるでしょう。減収入分の額については直近3カ月分の売り上げや、過去1年分の売上等を参考にしつつ
当事者の話し合いにより決定されることになります。
一方、営業再開までの休業期間中の損失については具体的金額を算定することは困難ですが、立ち退きの猶予期間
を考慮しながら、賃貸人との話し合いにより休業期間の損失についても補償されることになるでしょう。
以上のように、店舗の立ち退きの場合には、移転費用の補償のほかに、営業補償としての立ち退き料の額が問題となります。
実際には、近隣の賃料・保証金の相場、および引越費用、設備費用等を見積もり、営業補償については話し合いにより
(例えば、月々の純利益の10か月分など)、立ち退き料の額を決定していくことになります。
弁護士に依頼した場合には、以上の立ち退き料を当然請求するとともに、裁判にならずに立ち退き問題が解決できたことに対する
早期解決金等を請求することになります。
次に、立ち退きまでの猶予期間ですが、これについては賃貸人との話し合いによるものであり、具体的事案により様々
ですが、一般的に半年程度が多いです。
もっとも、店舗の同程度の立地条件の店舗の確保の困難性、および規模等により、これより長く設定することも可能
です。

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